2009/07/05

『1Q84』

1Q84』 村上春樹/著

ようやく、読み終わりました。読み応えありました。

小説家ってすごいなあと思うのが、伝えたいことをそのまま表現するのではなく、登場人物や時代背景など、いろんな要素を積み重ねて物語を構成し、別の形で提示できること。それも一つのアートだと思うのですが、この本もまさに、物語の中に込められた意味が節々に感じられ、ただただ、すごいなあと痛感しました。

村上さん自身、読売新聞のインタビューで、「読んでいるうちに読者が、作品の中に小説家が言葉でくるみ込んでいる真実を発見してくれれば、こんなにうれしいことはない。」とおっしゃっています。作品に込められた真実を全て発見できたとは思えないのだけど、読んでいて、たくさん考えさせられました。生きるとは、ということを突きつけられているような感覚がありました。

出てくる登場人物は、聡明で常識もわきまえているけど、社会の中心にいる人たちではなく、不器用でちょっと危なっかしいところが、村上春樹らしいなあと思ってしまいました。あり合わせの材料でさらっと料理を作ってしまう男の人、もそう。何か洗練されていて、かっこいいんですよね。

結局謎のままのところもあるし、正直言って好みの分かれる作品ではないかと思いますが、わたしにとってはもう一度読み返したいなと思うお話でした。

最後に、一番印象に残った台詞。「説明しなくてはそれがわからんというのは、つまり、どれだけ説明してもわからんということだ」

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